サンデー山口

徳間書店
文・絵：ピ－ター・シス
　　訳：原田　勝
　「地球上の生物は、何億年もかけて、一本の木が枝わかれするように生まれてきた。いわば、生命の樹である」という進化論を発表し世界中を揺るがしたチャールズ・ダーウィンは、今から２００年前の２月１２日、イギリスで生まれました。『生命の樹』は、彼の73年の生涯をたどった伝記絵本です。
　少年時代のダーウィンは、堅苦しい寄宿学校での生活になじめず、動植物や鉱物、地質の研究に関心をふくらませていきます。22歳の時、彼の並外れた観察力を評価したヘンズロウ教授の推薦により、博物学者として調査船ビーグル号に乗船。南米、ガラパゴス諸島への航海に乗り出します。この航海中に観察・分析したことをもとに著したのが、生命の神秘をたどった『種の起源』です。
　自然科学への尽きせぬ好奇心と謙虚な観察姿勢を持ち続けたダーウィンの生涯が、絵本作家ピーター・シスの筆によってみごとに伝わってくる一冊です。
（ぶどうの木代表・中村佳恵）