サンデー山口

冨山房
作：ロジャー・デュボワザン
訳：松岡享子
　お人好しのぞう、食いしんぼうのぶた。さるは好奇心旺盛で、頭の回転の早さにかけてはきつねが一番…。絵本の動物たちは、それぞれが同じような性格をしています。
　ピントはずれのことをしてはひと騒動起こすのはがちょうの役回りのようです。草地で本を拾ったペチューニアは「ほんをもち、これに　したしむ　ものは、かしこくなる」という聞きかじりの格言を思い出し、本を持ってさえいれば賢くなれると思いこんで肌身離さず持ち歩きます。自信を持った彼女は、農場の動物たちの悩みごとにとんちんかんなアドバイスをして回り、挙句の果てには花火をキャンディーと勘違いして農場は大混乱。しっぽや背中をやけどし、包帯をぐるぐる巻きにされた動物たちの気の毒な様子といったらありません。
　さすがのペチューニアも花火事件ですっかり自信をなくしてしまいますが、落ち込んでいたのも束の間。次に彼女が考えたのは…。それは読んでのお楽しみ！
（ぶどうの木代表・中村佳恵）