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2000年01月01日

No.7 「ちいさいおうち」

No.7 「ちいさいおうち」

岩波書店
文・絵:バージニア・リー・バートン
 訳 :石井桃子

 大正末期に建てられた天花の山大官舎が10月初めに解体された。住むには不自由も多かっただろうが、木造洋風建築のしゃれた家はこの辺りの落ち着いた佇まいにしっくりなじんでいただけに、更地となったのが残念でならない。せめて『ちいさいおうち』のように家ごとどこかへ移築することはできなかったのかと、主をなくして淋しそうな空き地を眺めながら思った。
 丘の上に建てられたちいさいおうちはりんごの木に囲まれて幸せな日々を送っていたのだが、都市化の波にのまれ、まわりに次々とビルが立ち並び、とうとう廃屋となってしまう。しかしこの家を建てた人の孫の孫のそのまた孫にあたる人の目にとまり、郊外に移され、家としての生命をよみがえらせるのだ。
 この作品が日本で出版されたのは高度経済成長の最中、1965年。それから約40年。山口もこのおうちの周辺同様、様変わりしてしまった。どれだけの山や田が、道路や宅地になっていったことか。
 天花のこの更地にもいずれ新しい家が建てられるだろう。世代交代はやむを得ないが、その陰で静かに消えていくものの姿は、しっかりと心に留めておかなくてはならない。(ぶどうの木代表・中村佳恵)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)えほんのとびら
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