サンデー山口

福音館書店
作：さとうわきこ



　野道を歩きながらつくしやたんぽぽに出会える季節となりました。春一番に若芽を出したよもぎも、随分大きくなっています。銀色の産毛に包まれたよもぎを見ていると、ばばばあちゃんならずともよもぎ団子を作りたくなります。
「ねえ　ばばばあちゃん、どれが　よもぎか　わからないよ」
「ほら　あしのところにあるのが　よもぎさ。よもぎは　はっぱのうらに　けが　はえているから、よく　みてごらん」　　
　私も祖父とよもぎ摘みをした思い出があります。早く済ませようと大きいよもぎばかり摘んでいると「そねえ大きいのは筋がかとうてつまらんぞ」と教えられました。摘み直した柔らかなよもぎを混ぜてついてもらったお餅の香りのよかったこと！
　ばばばあちゃんの手ほどきを受けながら、子ども達はつくしやせりを和え物に、よもぎはお団子にしていきます。山と盛られたお団子の中には、へびの形あり、魚の形あり…。そしていよいよ摘み草パーティー。この日はばばばあちゃんのお誕生日。よもぎ色の一張羅に、たんぽぽの花かんざしでおめかししたばばばあちゃん、一体何歳でしょう？（ぶどうの木代表・中村佳恵）