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2000年01月01日

No.18「セロひきのゴーシュ」

No.18「セロひきのゴーシュ」

福音館書店
作:宮沢 賢治
画:茂田井 武

 大学時代を過ごした街に小さな名曲喫茶がありました。この店では毎月1回土曜の夜に常連客が楽器を持ち寄り、小さなコンサートを開いて楽しんでいました。その中にチェロを弾く若者がいました。彼の音色は情熱的で、思うような演奏ができなかった時には、コンサートの終わりを待たずに1人さっさと店を出ていくのでした。その後ろ姿に私は『セロひきのゴーシュ』のゴーシュを重ねて見ていました。
 ゴーシュの演奏は「表情ということがまるでできてない」と楽長に叱られてばかり。彼は涙をこぼし、家に帰っては一晩中チェロに向かいます。「譜をめくりながら、ひいては考え考えてはひき、しまいまでいくと、またなんべんもなんべんも、ごうごうごうごうとひきつづけました」。
 そんなゴーシュの所へ毎晩動物たちが訪れます。彼らにチェロを聞かせることで、ゴーシュは次第に他の音と響き合うことを体得していくのでした。
 作者の宮沢賢治もチェロの演奏を趣味にしていました。ゴーシュ、賢治、喫茶店の若者-ひたむきにチェロに向かう3人の音色は、時空を越えて共鳴しているようです。(ぶどうの木代表・中村佳恵)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)えほんのとびら
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