サンデー山口

福音館書店
写真：冨成　忠夫、茂木　透
文 ：長　新太
　大みそかから降りはじめた雪は年を越し、一面銀世界の新年を迎えました。やみそうにない雪を窓越しに眺めながら、今年は元日の初詣は無理かとあきらめかけていましたが、夕方近くにようやく雪雲もはれ、手早く身支度をして大神宮へ出かけました。
　道すがら目にした冬木立は重そうに雪をかぶっていましたが、よく見ると小さな芽が、振り落とされてなるものかとしっかり枝にしがみついています。冬芽をつけた枝々は、その小さな芽のために精一杯太陽を求めて枝を伸ばしているようです。
　冬芽の表情をカメラに収め、詩を添えた作品が『ふゆめ　がっしょうだん』です。
　みんなは　みんなは
　きのめだよ
　はるに　なれば
　はが　でて　はなが　さく
　パッパッパッパッ
　冬芽の付け根の部分には目や口のような模様があり、ユーモラスな表情で春待つ歌を合唱しているようです。帽子をかぶった子ども達、ウサギやサルやコアラの子…。
　大寒も真近。寒さも今が本番ですが、楽しい写真を見ているうちに、私も山歩きしながら冬芽達の合唱に耳を傾けてみたくなりました。
（ぶどうの木代表・中村佳恵）