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2007年01月20日

「静物」 河上左京 (1921年)

「静物」 河上左京 (1921年) 

水彩画は誰でも一度は描いたことがあるだろう。チューブから出した絵の具を水で薄めながら画用紙に描いてゆく。何度も同じ所を塗っていると、いつのまにか画用紙の表面がはげてザラザラになったりした。そんな昔の手触りを、河上左京と河上大二の作品を見ていて思い出した。
 林檎を描いた左京の静物画が数点並んでいる。林檎のひとつをじっくり見てみると、その精妙な描き方に驚く。薄い黄色、薄い赤、濃い赤、薄い青。その色の層が微妙に重なりあって、林檎の肌の複雑な色調が表現されている。薄い緑や紫が加えられたものもある。そんなに色が重ねられながら、光の当たったハイライトの部分は全く色が塗られていない。紙の白がそのまま残されている。色を塗る手順も含め、絵の具の特質をつかんでいないと描けるものではない。
 背景も微妙な色調だ。青、赤、黄、緑のセロファン紙の断片が重ねられたように見える。
 水彩画の透明感の清々しさに心奪われて、しばし時を忘れて見入った。

県立美術館学芸課長 斎藤 郁夫


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)サンデー美術館
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