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2007年06月16日

「京人形図」(部分) 森寛斎

「京人形図」(部分) 森寛斎 

画面左に座っているのは、伝説の名工左甚五郎。立ち姿で踊りだそうとする女性は、実は彼が彫った人形である。
 人形ならば、背後の木材や制作途中の獅子と同じ色をしているはず。しかし名工の彫った人形の姿があまりにも真に迫っていたために、顔には血が通い、衣装も艶やかな色彩に染まってしまう。何やら怪奇めいて聞こえるが…。
 作品のできばえがあまりにもすばらしいので、その作品に生命が宿ってしまうという話は西洋にも存在するが、実はそれほど荒唐無稽な話ともいえないのではないか。というのも、私たちですら優れた作品からは強い生命感を感じるときがある。それが生き物のように迫ってくる感じさえ受けることもあるだろう。
 芸術の力に感動した無数の人々の経験が積もり積もって、このような話が自然に生まれたと考えると、驚く様子もない名工の満足そうな表情も、なるほどねと納得できると思うのである。

県立美術館学芸課長 斎藤郁夫


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)サンデー美術館
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