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2008年06月15日

玉村方久斗(一部) 1925-27年

玉村方久斗(一部) 1925-27年 

現在、森寛斎と玉村方久斗の作品が別々に紹介されている。二人とも伊勢物語のなかの芥川という話を描いていて、ふたつを比較するとおもしろい。
 まず森寛斎の絵。女を奪って追手から逃げる男が裸足になっていて、妙にリアルである。けれど、なんとなく舞台の上のワンシーンを見ているようで、逃げる者の切迫した心理は感じられない。
 それに比べて玉村方久斗の絵は、心理的なホラー映画を見ているようだ。禍々しい黒い渦のなかで稲妻がとどろく。冷たい風に髪を乱したまま、じっと弓矢をにぎりしめる男。何かを恐れる目は大きく見開かれている。
 作家が違えば、同じテーマでも異質な作品になるのは当然である。けれどこの2点からは、江戸の伝統が色濃く残る時代と、西洋の前衛芸術の影響を受ける時代との歴然とした差が感じられて興味深い。寛斎は今月29日まで、方久斗は7月13日まで展示されている。

県立美術館学芸課長 斎藤 郁夫


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)サンデー美術館
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