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2007年04月21日

「青砥藤綱滑川拾銭図」 狩野芳崖

 

現在、狩野芳崖の作品が12点展示されている。その中の「あおとふじつななめりかわじっせんず」。
 今でいう裁判官だった青砥藤綱が夜、誤って滑川に十文の銭を落とした。そこで彼は五十文で松明を買って探させた。人々は小利大損と笑った。しかし彼は、天下に流通させるべき十文の銭を探し出し、五十文の銭は実際に世間に流通させた、つまり六十文の銭を天下のために生かしたのだと答えたとか。
 絵は三つの場面に分けられている。川の中の右側の三人、一人が松明を掲げて指図している。その隣、松明を掲げる男が、手に何かをつかんだ男を見て破顔一笑、大きな声で叫んでいる。画面左の岸では、神妙に膝を揃えた男たちに、主人公青砥藤綱が静かに何かを説いている。場面ごとの人物の表情がおもしろい。
 昔は誰でも知っている話だったのだろう。今では話を調べながら絵を見なければならない。

県立美術館学芸課長 斎藤 郁夫  

Posted by サンデー山口 at 00:00Comments(0)サンデー美術館

2007年04月21日

ブラックバスから椹野川を守れ



 バス釣りの隠れたスポットとしても有名な椹野川で、ブラックバスから在来魚を守ろうと椹野川漁業協同組合などは精力的に活動している。05年度からは、卵を人工産卵床に産ませて一掃する方法を実施し、昨年度には初の産卵(約1万3800個)駆除を成功させた。今年も20基以上の仕掛けを設置し、「効率良いこの仕掛けを早く確立させ、椹野川の生態系を守りたい」と同職員は話している。

 ブラックバスは繁殖力の強い北米原産の淡水魚。日本には1925年にアメリカから神奈川県の芦ノ湖に持ち込まれ、その後、日本全土に繁殖していった。雑肉食種のため、河川や湖に生息する在来魚や他生物を食い荒らし、生態系を崩すとして、05年には特定外来生物に指定。現在では日本の各地で河川の生態系を守ろうと駆除活動が行われている。
 椹野川でブラックバスが初めて確認されたのは20年ほど前になる。琵琶湖から取り寄せた放流用のアユの稚魚に交じってきたという説と、スポーツとしてのバス釣りを楽しむ愛好家たちの手でため池に放流されたという2説がある。
 いずれにせよ、椹野川に流入後、ブラックバスは急速に増殖し、01年から04年にかけて生息量が最盛を迎える。50?を超えるサイズのブラックバスが大量に泳ぎ、釣り雑誌にバスフィッシングのスポットとして紹介されるまでになった。と同時に、そこにすむアユやゴリ、小エビ、水生昆虫などが餌となり、椹野川の在来生物の個体数は激減していった。
 同漁協と漁連などでは生態系を守ろうと、自分たちで網や釣り竿での地道な捕獲のほか、一般の人が釣ったブラックバスを1?千円(ただし1匹最大500?まで)で買い取るシステムも導入。01年~04年には年間約2千匹の買い取り量があった。また、05年にはサイズは小さいながらも約3900匹、06年に約1600匹の一般者持ち込みがあり、同システムによる着実な駆除が行われている。そのほかに、河川に稚魚が流入してくる原因となるため池や堤を干して捕殺する方法も実践している。
 そして、05年度からは稚魚や成魚だけでなく、卵の駆除も試験的に開始。75?×45?のプラスチック製かごに砕石を敷き詰めた「人工産卵床」を作製し、それをワンドと呼ばれる川の流れの緩やかな場所の水深約1?の所に設置した。初年度は産卵数0と空振りに終わったが、昨年度は3カ所に計33個のかごを設置し、そのうちの一つのかごで1万3800個の産卵が初確認できた。今年度は13日にまず2カ所で計20基のかごを仕掛け、近日中に別の2カ所にも設置を予定している。人工産卵床は効率的な駆除ができるだけでなく、いまだに不透明な河川におけるブラックバスの産卵を調査できる方法として関係者らは期待をしている。椹野川漁協の田中実課長は「少しずつだが産卵場所や習性をつかんできた。この方法での駆除を成功させ、椹野川の生態系を守り、生産性の高いきれいな川を取り戻したい」と話している。なお、河川での人工産卵床設置は県内初で、産卵成功例は全国でも2、3例目の希少事例になる。
  

Posted by サンデー山口 at 00:00Comments(0)ニュース