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2002年06月02日

札の辻・21

 隅田川の川風に乗って、櫓太鼓の音が聞こえてくる大相撲の五月場所に、最近ではめずらしく4度も満員御礼の垂れ幕が下がった。
 ゆかた姿で両国橋を渡って場所入りする力士たちや、色どり豊かにはためく力士幟に、江戸情緒の名残を偲ぶファンも多い。
 粋人で相撲を愛した池田弥三郎氏は、桟敷で相撲茶屋の運ぶ幕内弁当に、そら豆の入る五月場所が好きな江戸ッ子であった。
 氏の随筆のなかに「そら豆と大相撲」という一文がある。
 『季節ごとの喰べ物は、その季節の行事の記憶に密着する。そら豆と五月場所の大相撲とは、今にからみあってなつかしく私の記憶を刺激する。そら豆の喰べ頃は短い。場所のふれ太鼓が東京の下町を廻って歩く頃、わが家の夕食の膳にも、場所の桟敷にも、いのち短いそら豆が登場したものである』と。
 江戸の大関より郷里の三段目という言葉が相撲界にはある。郷土出身力士に熱い声援を送るファン気質を表現している。
 戦前には郷土の山や川などゆかりの地名をつけた力士が多く、山口県出身では明治以後初めて昭和10年に入幕した防長山がいる。ほかに安芸ノ海、備州山、九州山、佐賀ノ花、武蔵山、天竜川、天城山、名寄岩、佐渡ヶ島など、日本地図を広げ見るようだった。
 この場所の番付で、出身地をシコ名にしている幕内力士は、安芸乃島、土佐ノ海、和歌乃山の3人だけで、幕下上位 にわが郷土力士で元十両の琴岩国が4勝3敗と勝ち越した。
 また力士出身地も国際的となり、ハワイに続くモンゴル勢の活躍がある。今回はじめて韓国出身の春日王が6勝し幕下から十両入りを確実にした。共生の風はW杯だけではない。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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