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2002年11月17日

札の辻・21

 11月2日、凛烈な寒気に包まれることを予想しながら、千歳空港ビルを出ると、道東に比べ石狩平野は、まだ冬将軍が足踏み中で、札幌までの電車の窓外につづくシラカバ、ダケカンバ、ミズナラなど原始林の黄葉が秋の終幕を飾っていた。
 手稲山や藻岩山の頂きに雪を見るだけで札幌市街に積雪はなく、大通公園、赤レンガの旧道庁を囲む森林公園も紅葉に彩 られ、樹間に点在するナナカマドの房状の真赤な実の光沢が美しい。
 札幌市の特色のひとつは、ゆたかな自然環境が市街地に集中していることである。円山公園や中島公園のように正統的な公園のほかに、札幌市の歴史と共に歩んできた北大キャンパスは、市街地最大の空間といわれ、180ヘクタールもある。法制上の公園ではないが大学の敷地が多くの市民に親しまれ、ニレの大木の並ぶ木陰に画架を立てている人影も見かけた。
 3日間の滞在中に公園や並木道でナナカマドやミズナラの落ちた実を拾った。かつてパリの歩道で拾ったマロニエの実が、わが庭に3本ばかり育っているので、孫たちの住む北の大地の息吹きを山口にもと思ったから。
 4日目には久しぶりに小樽まで足を伸ばした。
 石狩湾を右手に札幌-小樽間は高速道路で約30分、明治初年からロシアやヨーロッパとの通 商で栄えた坂と運河の町筋に並ぶ古い石造建築は、降りしきる氷雨に濡れており、ここ小樽高商に学んだ小林多喜二の小説「蟹工船」を思い出す。
 漁港の近く、旧番屋を改造した食堂で、サンマの刺身、ニシンの炭火焼、カニ汁など石狩の味で北の旅を終える。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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