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2002年11月24日

札の辻・21

 ゆく秋の大和の国の  薬師寺の塔の上なる  ひとひらの雲

 歌人というより歌学者といわれた万葉集研究の佐々木信綱の歌である。
 わが国の五重の塔は、仏の舎利を納める墓であり、祈る人間の姿を模したものであり、均衡を保って立つ大胆な生命の型という三つ人間的しるしが基本になるといわれている。薬師寺の塔は、奈良や京都に現存する佛塔の中でもっとも古く、1200年のあいだ風雪にさらされながら、歴史の時空に耐えてきた壮麗な塔だという。
 さきほど、博多の百貨店で開催された「薬師寺展」を見学した。
 司馬遼太郎は街道をゆくの中で「明治以来敗戦までの社会は大臣・大将になることが栄達の基準とされ、山口県や鹿児島県にいたっては、大臣・大将は掃いてすてるほどいた。奈良県は敗戦まで1人の大臣も出さず、大将にも縁がなかった。奈良県は、よくいえば駘蕩としている」と述べ、さらに「日本の五重の塔が、当時の輝かしい朝鮮の建築技術を受けている中で、薬師寺の塔は唐様式が直接影響しており凍れる音楽とも称されてきた」とし、山口の瑠璃光寺の塔にも通 じるものがある。
 薬師寺展では白鳳文化から現代までの寺宝が公開され、江戸時代制作の玄奘三蔵立像や薬師寺縁起絵巻、現代では小倉遊亀筆の創建者持統天皇像があった。
 また奥田元宋、高山辰雄など代表的現代画家の献上画と共に、陶芸家では今泉今右ェ門、中里太郎ェ門と並んで、大和保男作の陶筥がスポットライトに映えていた。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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