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2002年12月15日

札の辻・21

 甲高い声で季節の到来を告げるヒヨドリが、庭のクロガネモチの赤い実をもとめて来るようになった。
 ヒヨドリは日本列島に広く分布している鳥で、朝鮮半島の一部と台湾のほかは、わが国だけという準国産鳥なのである。主食として木の実とか昆虫を好む雑食性で、このほかツバキやサザンカの花蜜も吸い、サクラの蕾を食べたりする。
 ヒヨドリは秋が深くなるにつれ北日本から移動し、南日本に越冬地を求める。そして山地の森林だけでなく、村落や市街地の公園などにも姿を見せる。だが、ここ数年前から秋・冬だけでなく、夏でも住宅地に現れるようになり、あの声からうけていた季節感が失われてきた。季節感の喪失はトマトやキュウリなどの野菜ばかりでなく、野鳥にまで及んだ。
 このほかにも、北日本では主として春から夏に、南日本では秋から冬にかけて目立っていたムクドリも、一年中見かけるようになった。
 子供の頃、山の村は刈り入れが終わり、木枯らしの吹く日がつづくようになると、葉を落としたケヤキの裸木に、ムクドリがさわがしく啼き集まる。それは子供たちのおしゃべりにも似ていた。
 ムクドリが来るようになるとツルが来る  と教えられ、子供心に遠くシベリアからの客を待った。そしてツルが来れば木枯らしは雪に変わり、里山は白く雪化粧をし、ツルたちの餌場にも薄く氷が張って、馬酔木の咲く3月頃まで、村はツルとともに冬に耐えるのだった。そのナベヅルも今年の飛来はわずかに10羽。変わりゆく生態系はヒヨドリだけではない。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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