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2003年07月13日

札の辻・21

 ヨーロッパのエントランスホールは、その歴史的建造物に見るように、コインの両面のごとく、外側と内面の印象に変化をつけながらも一体感を教えてくれる。
 新しく完成した山口銀行山口支店のエントランスホールには、萩焼無形文化財保持者大和保男氏の陶壁がある。
 縦3.50メートル、横5.40メートルの壁に、モチーフは山口の自然風土の中から、ホタルと七夕まつりを選び、やさしい色に仕上がった陶板に、ホタルの光を浮き上がらせ、全体の調和には、七夕まつりの揺れる短冊が点在して風の色を感じさせる。
 題名は中也の「帰郷」の一節、さやかに風も吹いているからとった「爽風」で、イメージが詩的となった。
 大和保男氏は自著「萩焼におけるデザイン」の中で、
 「光悦の茶碗には金蒔絵に青貝、銀、錫などが用いられ、斬新でノーブルである。光悦の精神と造形力は、ひとつの理想世界で私は工芸の意味をそこに見る。純粋美術だ、現代工芸だ、伝統工芸だという主義主張を超えて、縄文、弥生の土器が私の心を打ち光悦にひかれるように、後世の人々の心にとまるような作品を、一点でもつくるために私は苦闘する」と書いている。
 現代生活において、できる限り自然との関係を保つよう、太陽、土、水を具象化したデザインが、日本の建築文化には望まれている。
 銀行と萩焼  限りなく透明に近いガラスとふるさとの土による新しい造形空間がすばらしい。  大和保男氏の父君春信氏は、若き日は銀行マンだった。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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