アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 69人

店長情報 トップページ
店長情報

2003年08月17日

札の辻・21

 この夏は季節の縫い揚げである。
 いつ明けるとも知れず続いた長梅雨の中で、野分けと呼ばれ210日頃に来る台風が二度も来襲し、土用の炎天も短く、いきなり立秋を迎えた気分で旧盆となった。
 梅雨あけの頃、また強い雨が2、3日続くことがある。南下した梅雨前線が、ふたたび北上してくる現象で、戻り梅雨又は返り梅雨ともいう。先月下旬はその雨と、北からの寒気団が日本列島を包み、朝夕に冷気を感じるほどだった。

 雨ニモマケズ
 風ニモマケズ
 サムサノナツハ
 オロオロアルキ

の詩を思い出す。
 宮沢賢治は花巻郊外で自炊農耕の生活をしながら、周辺の農村を巡って稲作指導をし農民芸術を語る一地方詩人にすぎなかったが、広く世に知られたのは、「春と修羅」「注文の多い料理店」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」などが死後に発表されてからである。
 夏というのに残雪の稜線が光り、冷たい風が吹きつけてくるきびしい自然の中で生きる東北農民たち。その貧しい暮らしに修羅の精神を感じ、時には明るい未来を語りながらも、幻滅と失望に苦悩する賢治だった。
 あの頃は地球温暖化もなく、全国的に山村は冷夏におびえた。今年の稲の作柄も気になる。
 季節の縫い揚げは草木にもあって、仁保川の河岸にはすでにオオマツヨイグサ、オニユリ、クズなど秋をいろどる花々が姿を見せている。
 夕闇がせまると、川明かりの河原に虫の声が高い。(鱧)


同じカテゴリー(札の辻)の記事画像
札の辻・21
同じカテゴリー(札の辻)の記事
 札の辻・21 (2016-07-30 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-23 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-16 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-09 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-02 00:00)
 札の辻・21 (2016-06-25 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。