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2003年08月31日

札の辻・21

 蝉しぐれのせわしさもなく、すでに夏の終止符ツクツクボウシの声となった。この夏のひと月をふり返ってみる。
 某日、晴。
 東京から帰省した孫の一家と、この春新装なった仙崎の金子みすゞ記念館へ行く。童話詩人の人生を、多くの詩作品と台所などの生活空間を通して知ることができた。その混雑する館内で、やはり家族連れの本紙の執筆者「満語」氏と会い談笑する。投句箱があるので駄句を一句入れる。
 炎天にみすゞの詩の
 雲ひとつ
 記念館を出て詩にもある弁天島へと連絡橋を渡る。弁財天を祀る祠のある岩礁の島を、潮流が濠のように囲んでいる。網を持った半裸の子どもたちが渚で遊び、小島の上空にはミサゴが舞って仙崎湾は日盛りであった。
 某日、雨。
 盆なので田舎の実家へ帰り、朝から雨の中を墓参する。高原は気温が低く、まるで彼岸すぎのごとく肌寒い。雨に濡れた墓道の傍らにキキョウが咲いていた。
 家の郵便受に「周南市報」が入っている。山の村も周南市なのだ。この秋、新しい市となった里に、ナベヅルは何羽が飛来するだろう。
 某日、曇。
 孫の第二陣がまた東京から顔を見せる。ことし中学1年となった男の子が、熱心に読んでいる本をのぞくと漱石の「坊っちゃん」である。ついこの間まで「ドラえもん」ではなかったか。思えば自分が坊ちゃんを読んだのも中学1年の春で、徳山の児玉文庫であった。その年の12月8日太平洋戦争が起きた。
 あわただしく日記の中を夏が過ぎる。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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