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2003年10月05日

札の辻・21

 いろいろと討議した揚げ句、一部修正し市議会は犬猫条令を可決した。
 わが家でも以前子供たちが幼稚園の頃には猫を、小中学生のときには犬を飼った。猫の名前はチャコ、犬は三代つづいたが、太郎、大五郎、紋次郎とオスで、いずれも犬猫にしては長生きをしてくれた。
 小説の主人公とは異なり、人なつこい犬だった紋次郎が死んだときは、当時中学生だった長男が抱いて泣いた。以後、別れがつらいので犬猫は飼っていない。
 いま、わが家に関わる動物といえば、夏の夜に姿を見せるヤモリと、庭つづきの草むらにすむイタチで、どちらも夜行性だから戸主に似ていると家人は言う。
 猫には思い出がある。かつて某テレビ・キー局に愛称をゴンチャンと呼ぶ専務がいた。彼の祖父は鹿児島出身の総理大臣だった。そのゴンチャンの夫人が猛烈な愛猫家で、チーコという猫を飼っていた。その猫が事故死したとき、鎌倉の自宅で通夜をするからと、新橋の小料理屋の常連に連絡があった。いそいそと又はしぶしぶと鎌倉まで出向くことになる。新聞社や広告代理店からの生花に囲まれてチーコは安らかに眠っていたとか。相撲の佐渡ヶ嶽親方や女優の浅丘ルリ子も通夜の客だった。「俺のものより立派な布団に寝かされ、白布を被っていた」と将棋の斤田名人が通夜帰りの酒に酔って言った。
 わが庭に来る猫たちは、市議会中は姿を見せなかったが、議会終了を知ったのか、そばにススキの伸びた庭石の上で、大柄な三毛が「吾輩は猫である」という顔で寝そべっていた。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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