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店長情報

2003年12月21日

札の辻・21

 めずらしい「おでん屋」の開店記念パーティーが市内のホテルで開かれたので出席した。
 新馬場にあるこの店は昭和23年に開店し、55周年になることから常連約80名が集まり、思い出ばなしに盛りあがった。
 おでんはもともと味噌田楽のことで、平安時代に流行した舞踊の田楽に由来するらしい。その舞いの姿が豆腐に串を通した形に似ていることから、豆腐の味噌焼きを田楽と呼ぶようになった。のちに豆腐だけでなく、コンニャクも串刺しに味噌をつけるようになる。
 現在のように「煮込みおでん」になったのは江戸時代で、醤油仕立てではなく味噌仕立てだった。明治になってからコンニャク、はんペン、里芋、豆腐を醤油味のダシで煮込んで「おでん」と呼び、または「関東だき」とも言った。
 東京千代田区の平河天神前にあるおでん屋「稲垣」では、今でも醤油、味噌、塩と3種類のダシに鍋を分けて煮込んでいる。
 関西では昭和30年頃までは味噌おでんで、関東風のおでんになったのは東海道新幹線が開通してからで、サエズリ(鯨の舌)、コロ(鯨の皮下脂肪)、牛スジも煮込む。
 池波正太郎は子供の頃味噌おでんのコンニャクが好きで、母に「コンニャクは何でできてるの」と聞いたら「消しゴムからできるのさ」と母は答えたと食味随想に書く。
 醤油でも味噌でも、おでんネタでうまいのは大根だと思うし、新馬場ではレンコンに人気がある。江戸の昔からおでん屋は庶民のたまり場であって人情が通った。
 鍋に立つ湯気の向こうに旧知の顔が浮かぶ。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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