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2004年01月04日

札の辻・21

 正月は四季のうちで、自然の風物が冬枯れを迎える淋しい季節である。
 しかしその中にあって赤い色のウメモドキ、クロガネモチ、ヤブコウジなどの実が、弱い陽光を受けてつややかに光り、自然は眠っていないことを教える。こうした時期を正月に定めたのは、新しい季節へ向かうにふさわしいとした遠い祖先の賢い知恵といえるかも知れない。
 ところでここ数年来は季節のサイクルに変化があり、水仙や菜の花が早々と咲いたりする。
 わが家は仁保川に近いので、川岸に沿っている自転車道が手ごろな散歩コースとなる。
 春から秋へと、川土手に育つ野草と木々の移りゆく姿や、川面に遊ぶ水鳥たちのくらしを見るのが楽しい。
 水鳥といえば、去年の秋から冬にかけて北国から渡るカモの数が少ないような気がする。例年はマガモ、ヒドリガモとにぎやかなのだが、カルガモとカイツブリやバンの姿が目立つ。
 木枯らしが吹きはじめると、近くの雑木林などから吹かれてきた落葉が川面を流れてくるようになる。緑、黄、赤、茶と色どりもあざやかに、瀬と澱みに集まったり離れたりする。
 今年も山梨県は八ヶ岳山麓に住む山口出身で元アルピニストの友人から年賀状が届いた。
 『山麓に住んで14年、暖炉用の薪も3年分積み、不作だった米も集落の友人が通常価格で例年通り1年分玄米で持参してくれた。国際問題と政治的不満を除けば何も不自由はない』と。
 年は明けた。仁保川の水音のように新しい年の鼓動が聞こえる。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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