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2004年01月11日

札の辻・21

 今年も初詣は家から歩いて15分ほどの御堀神社とした。
 午前6時半、参道に人影はなく、道につづく畑の冬野菜は薄く霜を被っている。年輪を重ねたヒノキ、スギ、アラカシ、シイノキに囲まれた境内に入ると、大晦日の深夜から参詣の人たちが残した焚き火あとがまだくすぶり、焚き火を囲んだ輪の大きさがしのばれる。
 社伝によると、御堀神社は古くから御堀地区にあった八幡宮、厳島大明神、王子権現の3社が、
1669(寛文9)年に発生したこの地域の大火で多くの民家とともに消失したので、翌70年に3社を合祀し御堀八幡宮として再建されたという。
 1670年といえば、岩国藩主吉川広嘉が錦川に名橋錦帯橋を架橋する3年前のことである。
 なお寛文の大火の後、御堀村では姫山の東南中腹に、火の神愛宕大明神を祀る愛宕社を創建し現在も地区の信仰は厚い。
 その後239年を経た1909(明治42)年には、御堀八幡宮、鏡山神社、氷上神社の3社を改めて御堀神社とし現在に至っている。
 全国的に村落などの地域を鎮め守る神を祀る社を鎮守と呼ぶ。御堀神社もそのひとつであろう。
 地域住民にとって鎮守の森は、春夏秋冬の祭礼を含めて精神的なくつろぎの場であり、村芝居、村相撲そして笛・太鼓・踊りの伝承が各地に残る。だが戦後の開発で鎮守の森が町や村から失われてきた。しかし山口市内にはまだまだ鎮守の森が生かされている。
 初詣の帰り御堀橋を渡るとき、東の空の雲を割って、曙光が一刷毛の朱色を見せた。身近に拾う迎春である。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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