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2004年05月23日

札の辻・21

 空缶、空瓶、新聞雑誌、不燃物など、わが家の回収処理係である。家人は「環境庁」と呼ぶが、おだてとからかいがふくまれている言葉だとは充分承知の上だ。
 月数回になる回収日をむしろ楽しみにしている。それはわが家から廃棄物の集積場所となっている地区集会所まで、往復約40分ほどの道のりで、朝食前の早朝散歩ができるからである。
 まず仁保川沿いの自転車道を歩き、次は水田と畑の畦道を通り、3・4軒ある民家の庭先の道を行くと、庭園用の樹木が植えられた造園林となるが、年輪を重ねたケヤキの大木やクロマツ、クスノキなどがあって、ちょっとした森の状態になっている。ここを通り抜けると集会所に到達する。
 ただそれだけの道だが四季各々の朝がある。
 いまの季節、新芽を吹いたアシの群落を抜け、仁保川の川面にさざ波を立てて渡ってきた新しい風が肺の中まで入ってくる。花の終わったレンゲ畑に、キジのオスが赤い鶏冠も見事に佇っていることがある。民家の庭の花壇はチューリップに代わってバラが咲く、真っ赤な花弁が朝の空間に貼りついたようだ。造園林では野鳥のコーラスである。ひところはウグイスが囀り、梅の枝にはメジロが群れていたが、近頃は時々群から離れたムクドリが2・3羽で姿を見せることが多い。
 秋、霜の畑に大根が太りはじめた頃、林の中に黄葉したヤマイモのツルがムカゴを実らせていたので採ったこともある。
 そして冬には、まだら雪の畦道を走るイタチを見かけた。
 自然の鼓動がつたわる早朝の40分。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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