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2004年05月30日

札の辻・21

 本山荻舟の「飲食事典」によると、幕末外交の紛糾時代に江戸幕府は、西欧の賓客を招待した晩餐にタケノコ料理を出した。実は日本人の膳にだけ本当のタケノコを出し、外人には青竹の輪切りをアクセサリーとして膳に供えただけ。ところがタケノコをばりばり食べる日本人を見た外人たちは、歯力が強靭だと驚嘆したという。
 ヨーロッパには竹の自生はないからタケノコを食べる食習慣はない。その点、東洋では中国の呉の時代に、孝子孟宗が母の願いをかなえるため、雪の竹林にタケノコを求めたという伝説があるように、古くから食材として活用された。
 しかし現在では、雪の季節に早掘りのタケノコが登場する。これはニクロム線を地中に張りめぐらし、黒ビニールで土を被い、電流を通して生育を促進させたもので、まるで電気毛布にくるんで育てたようなタケノコだから、じっくりと自然に育つものとは味が違う。
 ともかく家人があきれるほどのタケノコ好きのわが身にとって、爛漫の春は花よりタケノコである。サクラがほころびる3月末から4月いっぱいは、朝掘りのタケノコを求めて東奔西走する。仁保や長門峡の道の駅には再三足を運んだ。とくに阿東町は高冷地だけにモウソウチクの時期が長い。その間、美祢の知人からも到来し県央部里山の春の味覚をたんのうできた。
 初夏になると、淡竹、真竹とタケノコが続き、それぞれの個性ある風味がたのしめる。
 タケノコを食べると湿疹が出来て、見るもの嫌だという友人がいる。お気の毒に、気性は竹を割ったような男なのだが。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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