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2004年06月06日

札の辻・21

 毎朝、新聞を8紙、煙草は1日30本、酒と同じくらい甘いものが好きで、古希も喜寿も米寿にも格別感じず、ただ句読点みたいなものだったと、90歳を超えた名優・森繁久彌が振り返る人生を、久世光彦がふところ深く入り込み洒脱な描写で週刊誌に連載した「大遺言書」を単行本にまとめたI・IIを読む。
 そのIIでは、森繁の母校大阪の旧制北野中学(現高校)の一節が面白かった。久世と対談の途中森繁は突如、朗々と北野中学の応援歌を歌い出す。すべてを刻んだ九十翁の青春がそこにあった。あらゆる物語の主人公は歳月である。長くても歳月、短くとも歳月、母校を偲び歌う森繁の眼には光るものがあったと。
 手もとに旧制大学高専の校歌寮歌集がある。
 ”都ぞ弥生の雲紫に”
北大予科の寮歌は北の大地の大自然を憧れる。
 ”金鱗おどる渺々の”
小樽高商の校歌は小林多喜二も伊藤整も歌ったはずだ。
 ”朝夕べの天雲や”
 宮沢賢治の歌う盛岡高農の校歌である。
 ”秋高原に風立ちて”北杜夫がストームで歌った松本高校の寮歌だ。
 われわれの世代は旧制の最後である。森繁ならずとも校歌・寮歌の青春に胸が昂鳴る。
 ”柳桜をこきまぜて”
旧制山口高校寮歌や
 ”花なき山の山蔭に”
旧制山口高商の寮歌を山口の夜の町で今も耳にすることがある。
 ”窓は露にぬれて
  都すでに遠のく”
 歌謡曲”北帰行”の原曲は旧制旅順高校の寮歌だった。
 旧制は各々に個性があった。歌詞の日本語がなつかしい。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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