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2004年07月11日

札の辻・21

 7月14日はパリ祭である。フランスではこの日を革命記念日の国民的休日とし、パリのシャンゼリゼ大通りでは、大統領も参加して大パレードが行われ、オデオン座やオペラ座などの国立劇場では、色々な演(だ)し物がいずれも無料で開放される。
 ところでパリ祭という呼称は日本だけのもので、フランスでは通用しない。フランスでは普通に「キャトルズ・ジュイエ」と呼んでいるが、それは単に7月14日という月日を指す言葉である。
 1789年のこの日、パリ市民とフランス国民軍は、バスティーユ刑務所の襲撃を皮切りに革命戦争を起こし、後のナポレオン登場の足場をつくる記念日となった。
 第二次世界大戦をはさんだ約30年間は、フランス映画の黄金期で32年には、パリの下町を舞台に花売り娘とタクシー運転手の恋を描いたルネ・クレール監督による革命記念映画「7月14日」が製作され、パリ市民の人気を集めた。当時日本でも上映されることになったが、「7月14日」という題名では日本人にわかりにくいことから「巴里祭」にタイトルを変えたところ大ヒットしたので、以後パリ祭として定着している。
 戦後わが国にパリ色の空間が生まれてきたのは、フランス映画とシャンソンの影響が多い。銀巴里と呼ぶシャンソン喫茶で、鼻の穴の大きい高英男が黒いトックリのセーター姿で歌っていたのがなつかしい。群馬県渋川市には日本シャンソン館があり、7月3・4日を皮切りにパリ祭コンサートが開かれている。
 パリの空の下オムレツの匂いは流れる--石井好子。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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