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2004年10月03日

札の辻・21

 菊のつぼみがふくらみ彼岸花が色あせてくると川ガニがうまくなる。
 川ガニは全国の河川の海に近い河口から、かなり上流にまで生息するイワガニ科で、太いハサミには暗黒色の毛が密生しモクズガニの名もある。
 山口県や広島県の山間部ではツガニと呼び、甲羅も足も一緒に搗きつぶし醤油又は味噌でカニ汁にする郷土料理がある。また塩ゆでにして二杯酢で食べると川ガニとは思えぬほどうまい。
 中国では上海ガニとして有名だ。上海や香港で日本人旅行客にも人気が高いが、山口のツガニと同種である。
 大陸で「秋老虎」と呼称するきびしい残暑が過ぎ、世界一美しいという北京の秋空が澄みわたる頃に「菊花開いて蟹肥ゆ」の言葉があり、東安市場からカニをぶらさげ家路へと急ぐ人の姿が多くなる。
 中国には古いことわざに「七尖八団」がある。尖とはカニの腹部の殻がとがっているオスのことで、団はその部分が半円形をしているメスのことを指す。そこで7月のカニはオスが、8月になるとメスがうまいの意味なのだが、この7・8月とは旧暦で現行暦では9・10月にあたる。
 ことしも阿武町奈古の山間部にある川魚料理店に行き、大釜でゆでるツガニを食べた。
 赤くゆであがった大ぶりのカニは、みっちり季節の味が詰まっている。早速ポキポキ足とハサミを折って身をすすり、甲羅を割ってカニ味噌と中身を頬張り、口も手もカニのツユで濡れるにまかせ至福の心地となる。
 中国でこのカニは「横行将軍」の別称を持つ、高梁や稲穂をハサミで切り荒らすからだと。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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