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2005年04月24日

札の辻・21

一の坂川の両岸はすでに葉ザクラとなった。
 昨年より約1週間遅れた満開のサクラを見たのは4月10日の日曜である。朝早く出向いたのでまだ人影もまばらで、文字通り爛漫の万朶の花が朝風にゆれるのをゆっくりと見ることができた。
 せせらぎの音も高い錦水橋のそばに、旧制山口高校の寮歌を刻んだ記念碑がある。

 柳桜をこきまぜて
 春も錦となりくれば
 後河原の枝並みに
 若き思いを寄せるかな

 白線帽に朴歯の下駄、
意気軒昂たる鴻南健児の往年の姿が眼に浮かぶ。若人にはサクラが似合う。
 錦水橋の上流、春日橋の上からは重なり合う花影に遠く瑠璃光寺の五重の塔の最上部の屋根が見えた。古都山口の版画的風景である。
 このとき、近くに住み河畔を散歩中のK氏に会う。彼はいま山口商工会議所の「新観光拠点づくりデザイン会議」の責任者のひとりとして、歴史と文化を学べる観光の街づくりに取り組んでいる。とくに一の坂川周辺は大殿地区を中心とする大内文化ゾーンの一角で、K氏はサクラの朝の散歩により自然と歴史の調和した空間を体感していたのかも知れぬ。
 あの日から2週間、一の坂川周辺はツツジが彩りはじめ、赤レンガの前にある2本のクスノキの大樹は、飴色の若葉に燃えている。
 水辺には菖蒲やイタドリの芽が勢いよく伸びてきた。花筏の流れる清流にはオイカワが銀鱗を光らせて走り、腹部を婚姻色に染めているはずだ。
 行く春へと自然の回り舞台はつづく。  (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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