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2005年05月15日

札の辻・21

 黄色い綿菓子を並べたように、シイノキの花が全山に盛りあがる岩国城の城山を眺めながら、連休の日、錦川清流線に乗り御庄駅を出発する。
 御庄から南桑あたりまでは河岸に竹林が多い。この竹は三百年前に旧岩国藩主が護岸用に植えたものと聞いている。たくさんのタケノコが伸びている竹の間からは、清流に反射して5月の陽光がまぶしい。
 錦川沿いの集落南桑駅に到着する。アユの宿の看板が見えるがまだシーズンではない。川底の小石まで鮮明に見える流れにアユ漁解禁日への期待がふくらむ。このあたりから山フジと山ツツジが青葉の渓谷にきわだつ。南桑は江戸時代から特産の和紙や薪炭を川船で運んだ。この川船を南桑船と呼び大正末期までは続けられた。
 昼前に終点錦町に着く。広瀬といった昔をなつかしみながら古い町並みを散策する。町の中央あたりに「25人以上は渡れません」と立札のある吊り橋で、瀬音の高い中で鳴くカジカの声を聞きながら錦川の対岸に向かう。橋のたもとに樹齢数百年の大エノキがあり、枝いっぱいに若芽を吹いていた。対岸の広瀬高校前は背の高い見事なシュロ並木である。並木の近くにオオサンショウウオの保育施設があり、生きた化石の大物が2匹悠然としていた。町筋に戻る。時計屋、履物屋、酒屋など宿場町の名残りが重く感じられる。
 清流線駅の小食堂で遅い昼食をとる。魚は日原経由で日本海産だとか。
 駅の売店でコンニャクと田舎たくあんを買って再び清流線に乗り、昔が呼吸している深山と清流の町を離れる。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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