2005年07月17日
札の辻・21
土用入りが間近くなった。土用は雑節のひとつで各季の立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間をいうから年4回あるのだが、現在では夏の土用つまり8月の立秋の前だけを土用と呼んでいる。
土用といえば丑の日はウナギ受難の日で、ことしは7月28日となる。「夏やせによしといふものぞ、むなぎとりめせ」と万葉集にもあるように、昔から梅雨があけて盛夏の炎天下、食養生のため土用ウナギや土用シジミを食べる習慣が今に残る。
ウナギといえば歌人斎藤茂吉が浮かぶ。彼は70年の生涯で1万8千首も詠んだ大歌人で斎藤茂吉全集は全56巻に及ぶ。その創作意欲を支えてきたのはウナギであった。全集のうち4巻を占める「茂吉日記」にはウナギに関する記述が実に多い。はたして茂吉は生前何匹のウナギを食べたのか? 短歌新聞の「茂吉と鰻」によれば、902回、1054匹になると30年間にわたる日記から算出している。彼は蒲焼又はウナギ丼を4日間連続して食べており、すさまじいほどのウナギ党である。
もうひとり文壇のウナギ好きに林芙美子がいる。芙美子は昭和6年シベリア鉄道でパリに行き1年間暮らすが、貧窮の中でも日本料理店で高価なウナギ料理を食べたほどで、戦後の昭和26年6月27日、雑誌連載の〝私の食べあるき”取材のため東京深川の「みやがわ」で蒲焼をたべたその夜心臓マヒで亡くなる。
ウナギ料理は日本だけではない。フランス料理には赤ワインの煮込みなど45種のレシピがある。
丑の日でなくとも噫!鰻重こわい。 (鱧)
土用といえば丑の日はウナギ受難の日で、ことしは7月28日となる。「夏やせによしといふものぞ、むなぎとりめせ」と万葉集にもあるように、昔から梅雨があけて盛夏の炎天下、食養生のため土用ウナギや土用シジミを食べる習慣が今に残る。
ウナギといえば歌人斎藤茂吉が浮かぶ。彼は70年の生涯で1万8千首も詠んだ大歌人で斎藤茂吉全集は全56巻に及ぶ。その創作意欲を支えてきたのはウナギであった。全集のうち4巻を占める「茂吉日記」にはウナギに関する記述が実に多い。はたして茂吉は生前何匹のウナギを食べたのか? 短歌新聞の「茂吉と鰻」によれば、902回、1054匹になると30年間にわたる日記から算出している。彼は蒲焼又はウナギ丼を4日間連続して食べており、すさまじいほどのウナギ党である。
もうひとり文壇のウナギ好きに林芙美子がいる。芙美子は昭和6年シベリア鉄道でパリに行き1年間暮らすが、貧窮の中でも日本料理店で高価なウナギ料理を食べたほどで、戦後の昭和26年6月27日、雑誌連載の〝私の食べあるき”取材のため東京深川の「みやがわ」で蒲焼をたべたその夜心臓マヒで亡くなる。
ウナギ料理は日本だけではない。フランス料理には赤ワインの煮込みなど45種のレシピがある。
丑の日でなくとも噫!鰻重こわい。 (鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻