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2005年10月09日

札の辻・21

 徳地と仁保の境界にある枡谷峠と松柄峠近くを源流とした金坪川や水尻川は仁保川に流入し、やがて問田川も併せて椹野川となる。
 流程30・3㌔の椹野川は、新しい市制が誕生したので、文字通り山口市内をひとすじに貫流する母なる川となった。
 椹野川漁協などが、椹野川の魚類12種の美味・珍味を紹介しているが、それはアナゴ、コイ、ゴリ、ナマズ、スッポン、モクズガニ、ベヘレイ、フナ、アユ、ウナギ、ハヤ、ブラックバスの料理法である。
 江戸時代の椹野川に棲息する魚族が、天保年間調査の防長風土注進案に記録されていた。それによると仁保、宮野、平川などで獲れる川魚は、ハヤ、ナマズ、アユ、フナ、コイ、ウナギ、ドジョウ、ゴリ、ヤマメでサンショウウオもいる。
 同注進案第14巻、小郡宰判には阿知須が阿知須浦として登場する。
 地名の由来については「当浦に長さ六百間、幅一間半の洲ありて海面に出づ。この洲に小鴨の群れ遊ぶこと常なれば、浦を阿知須という。古老の伝承によれば、古歌に小鴨を阿知と詠みしことより阿知須となれり」との解説がつく。
 その阿知須浦の魚類調べでは、すべてが海産魚となる。
 スズキ、タイ、カレイ、キスゴ、ハモ、アジ、イカ、サザエ、タコ、カキ、ハマグリ、マテ、エビ、ナマコ、ブリ、イワシ、イナ、エイ、アナゴ、ハゼ、アブラメ、エソ、コチと豊かだ。
 川にも歴史があり、その流れをたどることによって、先人たちのくらしが瀬音と共によみがえってくる。     (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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