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2006年05月07日

札の辻・21

 ケヤキ並木がアメ色の若葉を吹きはじめた県立美術館に、ウィーン美術アカデミー名品展を観る。
 これまでに、ウィーンには仕事と観光で3度行ったが、美術アカデミーは見学していなかった。
 今回の展示作品は、肖像画が多く、次に風俗画や静物画それに風景画である。総じて宗教的で神話的な雰囲気をもち、現代感覚からはほど遠いものを感じるが、15・16世紀にわたるヨーロッパの皇帝治政下の原形を識る思いがした。
 女性はすべて表情も裸像もふくよかで暗さがない。ヤーコブ・ヨルダーンスの「若い婦人の肖像」やアントニス・ファン・ダイク「15歳頃の自画像」は清純で、しかも中世のゆたかな時代精神的なものが感じられた。
 ウィーンといえばドナウ河だが、地中海の風景が多く、わずかに「プラーターからのウィーンの眺め」と「ウィーンのロッサウ・レヘンデ」の2点にはドナウ河の遠景があった。どちらも水と雲の色がやさしく、他の風景画とは異なっていた。
 ウィーンの街の建造物には、各々金属プレートが打ちつけられ、著名な音楽家や詩人が生まれた、住んでいたとの由緒が刻まれ、宮殿、議事堂、オペラハウス等を巡ると、この街は歴史の劇場だと思う。今回の画からもセピア色でシンメトリーなウィーンの光景がよみがえってきた。また風景・風俗画の構図には馬と犬がよく描かれていて、狩猟民族全盛期のヨーロッパの顔がのぞく。
 絵を見終わったら、ウィーン郊外のホイリゲでのように、生ワインをジョッキでかたむけたくなった。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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