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2006年07月16日

札の辻・21

 雪舟没後500年を記念し、この秋に県立美術館で開催される「雪舟への旅」展のプレイベント「雲谷派-雪舟の後継者たち」を同館で見た。
 雲谷派の美術展はこれまでに、県庁舎竣工記念として1984年に「雲谷等顔と桃山時代」が、2年後の86年には「雲谷派の系譜・雪舟の後継者たち」と2度県立美術館で開かれている。
 雲谷派は雪舟の画風を継承した等顔によって基盤がつくられ、桃山時代から江戸末期に至るまで、周防・長門を中心に雪舟流の継続を目的として活躍し、狩野派に次ぐ大流派となった。
 桃山画壇は天正・文禄・慶長(1570~90年代)の3期にわたる半世紀にも満たない期間だ。
 現在、東京国立博物館には桃山を代表する水墨画で狩野長信筆の「花下遊楽図屏風」と、長谷川等伯筆の「松林図屏風」の2点が所蔵され、いずれも国宝で狩野派と雲谷派の代表格である。
 等伯(1539~1610)は、数多い遺作の中で特に雪舟の名残りをとどめるという「花鳥図屏風」や「波涛図」があるように、雪舟的な迫力ある筆の運びと構成力を持っている。
 今回の展示は山口の雲谷庵を拠点に制作をつづけた等顔から、1700年代に雪舟七世と称した等鶴までのもので、山水画、花鳥画、人物画のジャンルに分けてあり、山水画では湖畔に浮かぶ船影に、花鳥画では草花や鳥の種類に、また人物画では達麿像等の表情に桃山から江戸に至る時代時代が反映していると思う。今回は「雪舟への旅」展に向けての助走である。雲谷派展Ⅱに期待したい。     (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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