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2007年01月14日

札の辻・21

 元旦の1月1日から7日までを大正月とすることに対し、15日~20日までを小正月とする地方もある。農作業始めの儀礼的風習として、とくに東日本に多く、古くから小正月にはアズキ粥などを炊いて祝った。
 中国大陸南部の水稲耕作地帯から朝鮮半島を経て日本列島に及ぶ農耕民族には、国の違いはあっても農事伝承祭事がそれぞれに現存している。
 中国の燕京歳時記によると、年の暮にはコメ、アワ、アズキ、クリなどに水を多くしてやわらかく煮て仏に供え、祖先を祀り親族知己が集いそのカユ状の鍋を囲む。
 中国に長く住んだ詩人草野心平は中国風の粥、自称心平ガユのつくり方を随想で紹介している。
 それはゴマ油ガユで、まずコップ1杯の米を洗わずに大鍋に入れる。次にコップ1杯のゴマ油を加え、つづいてコップ15杯の水を注ぎ、およそ1時間ほどトロ火で炊きあげ、ほんの少し塩味をつければ出来あがり。
 心平ガユと称するが心配はないとのこと。
 ところで、大正・昭和初期にかけては農村地方にカユ食が多く、当時の農林省主食調査によると、茶ガユ・芋ガユを1日1回又は2回食べる県は、青森、岩手、新潟、富山、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、山口、香川、福岡、佐賀で、その他の地方ではアワ、キビ、ソバなどの雑炊や粉食が多かったとある。
 周防部の山村に育ったわが身には、朝の茶ガユにひときわ郷愁を感じる。おかずは塩昆布、梅干し、たくあん、イリコの佃煮など素朴な味ほど茶ガユがひき立つ、小正月はこれでいこう。          (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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