2007年04月01日
札の辻・21
春になると潮の色は変わってきて、冬の鉛色から淡い藍色となり、彼岸を過ぎると1年中で最も干満の差が大きくなる。有明海ではその差が5.5mに達し、世界一はカナダのファンディ湾で15mにも及び壮観だという。
山口湾でも四季の中で春の干潟は幅ひろく現れてくる。
二月秋穂二島の干潟で県内でははじめてのキセルハゼが2匹見つかり、下関市の水族館・海響館に保護された。
ハゼ類は全世界に分布し約2千種といわれ、日本でも約300種が確認され多くは汽水域を中心に生息する。
キセルハゼはシマハゼと同じようにアナジャコなどがつくったU字型の穴を借りて暮らしており、瀬戸内海と有明海の一部でしか見られない。
戦前、小学生時代に理研製作「ある日の干潟」という文化映画を興味深く観たことがある。
どこの干潟だったのだろうか、水平線をはるかに遠望する砂泥地帯には、群がっているシオマネキ(カニ)が一斉にハサミを踊るように動かし、トビハゼの跳ねる水溜まりをよけてチドリが小走りに通り抜け、ヤドカリが徐行し干潟のパノラマは賑やかだった。
戦後の都市開発や生活排水の放流などで川の姿も変化し汽水域は汚れてきた。しかしキセルハゼの発見に「山口湾は生きている」と思った。
日本列島は脊梁山脈から南北へ約5万の河川を持つ。清流を保てば桜貝の渚も美しい。(鱧)
山口湾でも四季の中で春の干潟は幅ひろく現れてくる。
二月秋穂二島の干潟で県内でははじめてのキセルハゼが2匹見つかり、下関市の水族館・海響館に保護された。
ハゼ類は全世界に分布し約2千種といわれ、日本でも約300種が確認され多くは汽水域を中心に生息する。
キセルハゼはシマハゼと同じようにアナジャコなどがつくったU字型の穴を借りて暮らしており、瀬戸内海と有明海の一部でしか見られない。
戦前、小学生時代に理研製作「ある日の干潟」という文化映画を興味深く観たことがある。
どこの干潟だったのだろうか、水平線をはるかに遠望する砂泥地帯には、群がっているシオマネキ(カニ)が一斉にハサミを踊るように動かし、トビハゼの跳ねる水溜まりをよけてチドリが小走りに通り抜け、ヤドカリが徐行し干潟のパノラマは賑やかだった。
戦後の都市開発や生活排水の放流などで川の姿も変化し汽水域は汚れてきた。しかしキセルハゼの発見に「山口湾は生きている」と思った。
日本列島は脊梁山脈から南北へ約5万の河川を持つ。清流を保てば桜貝の渚も美しい。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻