アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 87人

店長情報 トップページ
店長情報

2007年04月15日

札の辻・21

   蝶
 二つ折れの恋文が
 花の番地を探して
 いる
 
 俳人鷹羽狩行は、世界の中でも四季の移り変わりが美しい日本の自然を詠んだ「名句案内150句」の序文に、ルナールのこの短い詩を引用しているが、連想・象徴性から見て山頭火の句に通じるものがあると思う。
 ことしは山眠るの冬が遅くまで瞼を閉じていたが、4月の声が近づきモンシロチョウが出現すると眼が開き山笑う時季となった。
 モンシロチョウは日本全土だけでなく世界中に広く分布している。ルナールの詩のごとく元々ヨーロッパが原産で、キャベツや菜の花など十字花の栽培植物と共に新しい土地を求めて繁殖したが、大根や白菜の茎が伸びてつける十字花はもちろんのこと、野生の十字花植物にまでひらひらと翅ばたく。
 モンシロチョウの雄は自分のテリトリーである十字花植物群の畑地を飛びつづけながら雌を探す。やがてもつれるような求愛行動が終わる頃になると雌は自分だけこれまでの畑地から離れ、若い芽の伸びてきた新しい環境に産卵する。

 あをあをと空を残し
 て蝶別れ
        林火

 二つ折れの恋文は千の風に乗って行き、空の青さの果てには春愁が残される。(鱧)


同じカテゴリー(札の辻)の記事画像
札の辻・21
同じカテゴリー(札の辻)の記事
 札の辻・21 (2016-07-30 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-23 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-16 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-09 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-02 00:00)
 札の辻・21 (2016-06-25 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。