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2007年04月15日

札の辻・21

   蝶
 二つ折れの恋文が
 花の番地を探して
 いる
 
 俳人鷹羽狩行は、世界の中でも四季の移り変わりが美しい日本の自然を詠んだ「名句案内150句」の序文に、ルナールのこの短い詩を引用しているが、連想・象徴性から見て山頭火の句に通じるものがあると思う。
 ことしは山眠るの冬が遅くまで瞼を閉じていたが、4月の声が近づきモンシロチョウが出現すると眼が開き山笑う時季となった。
 モンシロチョウは日本全土だけでなく世界中に広く分布している。ルナールの詩のごとく元々ヨーロッパが原産で、キャベツや菜の花など十字花の栽培植物と共に新しい土地を求めて繁殖したが、大根や白菜の茎が伸びてつける十字花はもちろんのこと、野生の十字花植物にまでひらひらと翅ばたく。
 モンシロチョウの雄は自分のテリトリーである十字花植物群の畑地を飛びつづけながら雌を探す。やがてもつれるような求愛行動が終わる頃になると雌は自分だけこれまでの畑地から離れ、若い芽の伸びてきた新しい環境に産卵する。

 あをあをと空を残し
 て蝶別れ
        林火

 二つ折れの恋文は千の風に乗って行き、空の青さの果てには春愁が残される。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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