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2007年06月03日

札の辻・21

 やまぐち文学回廊構想推進協議会が選定した山口県ゆかりの文学者63人が紹介されている。小説、詩、短歌、俳句、評論と顔ぶれは多彩でその内俳句の亘理寒太氏とは終戦後、八代村の群鶴句会で指導をうけたし、詩人礒永秀雄氏とは「駱駄」の同人でよく飲み語った。また上田敏雄氏には山口経専助教授時代に英文学の講義をうけ、その頃古書店第三書房の店主でアララギ派の歌人友広保一氏にはやはりアララギの同人山口経専の小西邦太郎教授の開く鳳陽短歌会でよく会った。気になるのは東大在学中に芥川龍之介論「敗北の文学」で懸賞論文第一席となり、芸術的価値論などプロレタリア文学運動の理論的旗手となった光市出身の宮本顕治氏と夫人で作家の宮本百合子氏が選ばれていないことだ。
 宮本百合子は1932年に顕治と結婚、戦争末期の文学空白時には、獄中の顕治に面会・差し入れ・公判と奔走しながら表現可能な限界内で仕事をつづけた。戦後、宮本百合子の代表作となった「幡州平野」には宮本家の生活状況を折り込みながら、岩国、柳井、徳山が登場してくる。
 =柳井沿線の景物は目新しく映った。内海の色、波のないその海面に逆さに投影しているおだやかな山の緑、東北とは全く異なって櫛比した町々の屋根、重吉の故郷の景色として、沿線の眺めはひろ子の心にせまった=
 山口の文学風土には海と風と土が匂う。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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