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2007年07月07日

札の辻・21

 おそるべき君等の乳房夏来る

 新興俳句の逸材といわれた西東三鬼の句で、この句が昭和も戦前に詠まれたことにおどろくが、青葉潮の寄せる海辺に立つ若い肢体の健康美がみなぎっている。
 海びらき山びらきを迎えた本格的な真夏日に身近な涼感を呼ぶのは冷たいビールだ。ビールを日本人が飲むようになったのは明治維新以降で、室町時代に到来したワインに比べれば歴史は浅い。
 最初にビールを飲んだ日本人は、幕末に使節や留学生として欧米に渡った志士達で、その多くは航路の船中でビールの味を知った。そのひとり福沢諭吉はビールを「胸間を開くために妙なり」と礼賛している。
 ビールは昭和30年代から日本酒やウイスキーを抑えて酒類のトップの座を占めてきたが、これは日本に限らず世界各国でも生産競争が激化した。
 印象的なのはベルギーのビールである。この国は九州より小さく人口も1千万余だが、ビールについては大国並で、種類の多彩さでは世界一となり、人口当たりの消費量はドイツに次ぎ、ビール工場も家内工業的に多い。またベルギーとドイツには、初夏から初秋だけに飲むさわやかな香りのビールもあるとか。
 ところでやはり三鬼の
 
 水枕ガバリと寒い海がある

の句には、種田山頭火の感性に通うものがあると思った。    (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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