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2007年10月27日

札の辻・21

 いま佐波川ではヤナ漁による落アユの料理が河川敷で食べられる。
 青葉の6月からはじまるアユ釣りも、川土手に草紅葉が目立つ頃ともなれば、下流を目指す落アユ漁に変わる。
 アユのいのちは年魚といわれているように1年かぎりだから、下降した落アユは汽水域の川底の砂礫に、次の生命を育む産卵行動を起こす。
 この時期のアユは一般的に体色が黒ずみ、腹部は薄紅色となり体表に追星と呼ぶ小突起を生じるが、産卵期のためホルモンの分泌が良くなり食べておいしい。
 約1カ月でフ化した稚魚は、冬の間に海水中のプランクトンを食べて成長し、サクラの季節になると若アユとなり、ふるさとの川を朔上する。
 「早き瀬に力足らぬや降り鮎」、これは維新戦争で函館に戦死した新選組土方歳三の辞世句である。彼の生まれ育った武蔵国多摩郡石田は、現在の都下日野市で昔から多摩川でのアユ漁が盛んな地域だった。
 日本河川ルーツ辞典に「佐波川は中国山地の野道山麓に源を発し南西へ流程約56キロを貫流し瀬戸内海へ流入する。古代からの伝承があり山口県を代表する河川」と記述。
 夕刻、右田から旧市内への新大橋付近で西方を眺めると、中国山地の低山丘陵地帯が海岸線へとつづき、稜線に沈む落陽は四季を通じて美しい。
 その河川敷の川風の中で食べる落アユは、歴史川のもつ晩秋の味覚だと想う。 
        (鱧) 


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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