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2008年02月02日

札の辻・21

 明日は節分で俳句の季語でも春の部に入る。
 昨今、俳句の世界では歳時記を見直して、季節感のズレているものを修正したり、新しい季語を選定しようという議論が起きているという。
 たしかに現在では聞いたことも見たこともない事象が季語にあって、難解季語解説辞典も出版されているほどだが、一方では「絶滅寸前季語保存会議」もあるとか。
 歳時記に-魚氷に上る(うおひにのぼる)-という春の季語がある。
 春になって氷に割れ目が生じ、水中の魚が間隙をついて氷上に躍り出ることを指し、中国古代の天文学から生じた二十四節気のうち立春の第三候で、現行暦では2月の上旬から中旬に起きる現象だとしている。
 しかし北海道のコマイ(氷下魚)や今は全国的に分布するワカサギが、山上湖などの氷上に自ら跳躍して出るという現実は聞いたこともない。でも「尾にヒレに氷割りけり春の魚」という句は残されている。
 山口県の郷土料理である「従弟煮」も季語になっている。
-陰暦二月八日、一年中の祭事・農事を始める日に、芋、大根、午蒡、あずき、人参、くわい等を入れ味噌汁仕立てにしたもので、ゆっくり追い追い(甥々)煮るので従弟煮と呼ぶ-とある。山口県のいとこ煮とは全く異なったものだ。
 以前、萩で白魚のオドリ食いをしたとき友人が「俳句を食べているようだ」といった。
        (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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