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2008年03月15日

札の辻・21

 庭のアセビが花をつけている。アシビ又は馬酔木とも書くが、馬が食べると麻痺を起こすという。有毒であることは確かで毒の正体はアセボトキシンとアンドロメトドキシンを葉脈に保留する。戦前はこの毒素を活用し葉液を農作物の殺虫剤に使用した。
 しかし花は白色可憐で房状にたれ下がりツツジ科の特徴がある。自生は関東以西に多く、京都八坂神社や奈良春日大社に多く植栽され大木となっている。春日大社のものは有毒と知ってか名物のシカも葉を食い残すとか。
 アセビの咲く頃になるとスズメの声がにぎやかになる。巣づくりのはじまりだ。人間のくらしと身近なスズメは警戒心も薄く人を恐れない。
 スズメには思い出すことがある。昭和30年代に山陰地方に大雪が続いたとき、鳥取市では積雪を利用し、当時繁殖し過ぎて農作物を荒らすスズメの掃討作戦を展開した。
 まず農家の屋根、庭、道など雪原となった場所全体に、アルコールに長時間浸した雜穀類を一斉にバラ撒いた。大雪で空腹だったスズメはアルコール漬穀物に群がり、たちどころに酔って雪上に点々と倒れた。そのスズメを拾いあつめる光景がテレビで放映され、当時鳥取市農林部長W氏のアイデアとして新聞も大きく報道した。
 約40年後の今、ユニークな発想が生まれるほどの大雪はなく、またスズメも当時より少なくなり、馬の酔うアセビだけがひっそりと咲く。   (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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