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2008年08月09日

札の辻・21

 シナントロプス・ペキネンシス(北京原人)以来、人類文明発祥の地という古都北京でオリンピックが幕をあけた。
 文藝春秋八月号の表紙は平松礼二画の紫禁城だった。赤い色を基調に連なる城閣の上には、現在の中国を連想する黄色の厚い雲が垂れこめる構図だった。平松氏は表紙の言葉で「故宮は広い、72万平方メートルもある。天安門、大和門、大和殿、中和殿と描き進み、赤と黄と緑の色鉛筆や絵具がどんどん減ってゆく。それでも4カ月後に描き終えて景山から苦闘の紫禁城を眺めるともう秋風が渡っていた」と。
 思い起こす。梅原龍三郎の「紫禁城」と「北京秋天」の秀作を。
 波うつような緑の中に建つ朱の造形、重量感が画面に迫力を与えると同時に朱と緑のすばらしい旋律を感じさせた紫禁城。
 当時、北京の空はとりわけ美しいと梅原は回想している。その美しい魅力ある秋の高い空が「北京秋天」となった。まるで音楽を聞いているように雲が描いてある。
 堂々たる紫禁城、澄みわたる秋の空、詩情が画面に漂う二作は共に1942(昭和17)年に創作された。
 画僧雪舟が大内船で明国に渡り、使節として北京を訪れ礼部院中堂に壁画を描き称賛を得たのは1468(応仁2)年であった。540年前の北京の空が偲ばれる。
 いまや北京だけでなく全地球の空に?限りなく透明に近いブルー?が求められている。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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