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2008年08月30日

札の辻・21

 先日、招かれて伊豆は修禅寺温泉の能舞台を持つ旅館「あさば」に一泊した。
 「あさば」は1675(延宝3)年創業の老舗で、明治の終わりに東京深川・富岡八幡宮の能舞台を移築し、通年で能楽師や狂言師を招く。宿泊した夜は移築百年記念で野村萬斎出演による狂言「水掛聟」と「狐塚」が披露された。
 古色を帯びる能舞台は広い池に面し、深い自然林を背にして蝉しぐれに包まれる。午後6時萬斎の狂言解説の頃からヒグラシがまるで解説者と競うごとく鳴きはじめた。
 狂言は二題共に室町時代の田づくり風景の人間模様が展開され、いつしかヒグラシも鳴き止み、池の水面に映える浮燈篭の灯りが、狂言の声量にゆれるようだった。
 翌日は湯ヶ島温泉にある「伊豆の踊り子」・川端康成の常宿湯本館まで行く。狩野川の渓流に沿う文豪の宿にふさわしい落ち着きを見せていた。
 修禅寺温泉をはじめ伊豆温泉郷は観光客の視線を引くために、天城の山菜と狩野川のアユの宿、大自然と能舞台の宿、湯けむりと文学の宿など各々の個性を主張する湯宿を目指している。
 私は思う。山口湯田にも歴史の宿、詩人の宿、庭園美の宿と全国発信ができる宿があることを。
 山頭火は1936(昭和11)年に伊豆を歩いた。
 はるばるときて伊豆
 の山なみ夕焼くる
                    (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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