2008年11月08日
札の辻・21
お遍路が一列に行く
虹の中 風天
これは俳優渥美清、役名車寅次郎、俳号風天の句である。
寅さんこと渥美清は若いときからひっそりと俳句を楽しみ、晩年は朝日の「アエラ句会」にも参加し、冒頭の句は1996年8月に肺がんで亡くなる前のもので講談社の「カラー版日本大歳時記」に収録された。
毎日グラフの元編集長森英介氏は、このほど渥美と親交のあった人たちや俳句仲間そして信州小諸にある「寅さん記念館」などから蒐集した彼の220句を「風天・渥美清のうた」にまとめて出版した。
村の子がくれたリン
ゴひとつ旅いそぐ
風天
どこか山頭火に通じるものがある。
事実渥美は晩年山頭火の役にあこがれていたのだが、NHKのドラマ「山頭火・なんでこんなに淋しい風ふく」のロケハンで防府・下関・熊本・松山へと山頭火ゆかりの地を歩いたあと「寅が山頭火になったらみんな笑うだろう」と役を降りフランキー堺に代わった。
赤トンボじっとした
まま明日どうする
風天
ある対談で森繁は「役者ちゅう者は華々しくて哀れであり同時に心底自分しか信じられない」と言い、渥美は「孤独ですよ本質的には」と答えている。
(鱧)
虹の中 風天
これは俳優渥美清、役名車寅次郎、俳号風天の句である。
寅さんこと渥美清は若いときからひっそりと俳句を楽しみ、晩年は朝日の「アエラ句会」にも参加し、冒頭の句は1996年8月に肺がんで亡くなる前のもので講談社の「カラー版日本大歳時記」に収録された。
毎日グラフの元編集長森英介氏は、このほど渥美と親交のあった人たちや俳句仲間そして信州小諸にある「寅さん記念館」などから蒐集した彼の220句を「風天・渥美清のうた」にまとめて出版した。
村の子がくれたリン
ゴひとつ旅いそぐ
風天
どこか山頭火に通じるものがある。
事実渥美は晩年山頭火の役にあこがれていたのだが、NHKのドラマ「山頭火・なんでこんなに淋しい風ふく」のロケハンで防府・下関・熊本・松山へと山頭火ゆかりの地を歩いたあと「寅が山頭火になったらみんな笑うだろう」と役を降りフランキー堺に代わった。
赤トンボじっとした
まま明日どうする
風天
ある対談で森繁は「役者ちゅう者は華々しくて哀れであり同時に心底自分しか信じられない」と言い、渥美は「孤独ですよ本質的には」と答えている。
(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻