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2009年01月10日

札の辻・21

 夏季は阿武川をはじめ近辺の渓流で解禁から落アユまでアユ漁を堪能し、冬季には初霜を踏む晩秋から馬酔木の咲く早春に至る猟期に、イノシシを追いつづける湯田の友人N氏からことし初猟の猪肉が届いた。この獲物は吉敷龍蔵寺の裏山につづく秋葉山近くで仕止めたとのこと。
 昨今はツキノワグマ、ホンシュウジカ、イノシシそれにサルまで県内の山間集落や時には一般住宅地にまで姿を見せる状況となっている。
 とくに山深くあまり人の眼にも触れない場所をテリトリーとしていたツキノワグマが、ミズナラ、アラカシ、ヤマグリなど木の実が山林の荒廃により不足がちで、集落地区のゴミ収集個所や庭先の柿の実、養蜂箱の中まで食い荒らすようになり、増えつづけるシカはもちろんのことサルまで集団で出没する。
 なかでも繁殖力の強いイノシシは耕作地の稲、麦、畑の野菜、ついにはゴルフ場のグリーンを鋭いキバで掘り返してミミズをあさるという荒法師ぶりである。このためイノシシの駆除対策は防御柵、擬音などが実施されているが効果はいまひとつで、そのうえ最近はハンターの人数も減少しており、イノシシたちの横行にもつながると考えられる。
 到来の猪肉はスキヤキにして食べたが正月にふさわしい山鯨の味だ。
 いま頃N氏は冬芽のふくらむ新春の里山で、丹波犬と共にイノシシを追っているだろう。
(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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