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2009年06月20日

札の辻・21

 大原湖を囲る徳地森林セラピー基地は、いま新緑から青葉へとカシ、カエデ、ナラ、ホオノキなどがそれぞれの樹勢を主張する季節となった。まぶしい陽光のもと初夏に咲く木の花に群れる蜜蜂の羽音も聞こえてくる。
 この時季に札幌へ行くと、北大構内や自然公園にあるエルムの木立は、雪雲の去った空に伸びた梢が芽吹き、壮大な季節感が北の都に漲る。
 エルムは英名でニレ科だからハルニレの呼称もあり寒い土地を好む。
 北の大地の詩人更科源蔵はハルニレには格別な思い出があった。
 「子供の頃、貧しい開拓小屋の囲炉裏でハルニレの直径60㌢ほどの燃える枯木丸太のそばで眠った。ハルニレをアカタモとも言った。コタンの子供はアカタモの根ッコで育てられたのだ」と。
 また群馬の山里で3年ばかり暮らした海軍予備学生帰りの詩人田村隆一も「山小屋から出るとハルニレの大木があって、その次にナラ、クヌギ、トチなどの雑木林があり、晩春初夏と晩秋初冬にはハルニレと樹林が奏でる色彩の交響楽に心酔した」と随想する。
 山口県立美術館脇の池に水面まで枝を伸ばしたニレ科のエノキの大木が1本ある。旧制山口高商時代からある樹で、樹齢はすでに100年を過ぎていると思う。
 パークロードにはケヤキ、アラカシ、オオシマザクラなど並ぶなかで、エノキは個性的な存在感を見せている。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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