2009年06月27日
札の辻・21
ことしも九州の南端指宿の親戚から枝豆が届いた。枝豆には月見豆との呼称があり、以前は九月中秋の名月に供えられ豆名月の所以となったが最近は早春に種をまき初夏には実るようになる。大豆の熟さないもので枝についたまま店頭に出回るから枝豆と呼ぶ。
枝豆に関して意見が分かれる二つの食味隋筆があっておもしろい。
ひとつは元慶應大教授池田弥三郎氏の隋筆「枝豆は生意気だ」である。
○大相撲五月場所の桟敷に、やわらかでさみどり色さわやかなソラ豆が運ばれる。ところがソラ豆の出番は短かく、場所半ばからは枝豆がしたり顔で登場しつづける。五月場所が終わり、梅雨も開けて両国で行われる川開きの縁台にも枝豆が出しゃばり五月、六月、七月と顔を見せ、揚句の果には飲み屋の突出しまで枝豆となる。まったく枝豆は生意気だ。-
いまひとつは作家獅子文六氏の「食味歳時記」の枝豆だ。
○青い枝豆は初夏に出始め両国の川開きの頃には盛りとなる。川開きの花火を見るために柳橋あたりの料亭へ行くと枝豆が出される。よく実り味もよく川風の涼しさと花火の音にも調和した。私は大相撲の五月場所と川開きの枝豆はいちばん所を得ていると思う。-
1月には早くも菜の花マラソンが開かれる南国指宿の枝豆は、丸味があって甘くビールにも焼酎にも合った。枝豆は枝豆である。(鱧)
枝豆に関して意見が分かれる二つの食味隋筆があっておもしろい。
ひとつは元慶應大教授池田弥三郎氏の隋筆「枝豆は生意気だ」である。
○大相撲五月場所の桟敷に、やわらかでさみどり色さわやかなソラ豆が運ばれる。ところがソラ豆の出番は短かく、場所半ばからは枝豆がしたり顔で登場しつづける。五月場所が終わり、梅雨も開けて両国で行われる川開きの縁台にも枝豆が出しゃばり五月、六月、七月と顔を見せ、揚句の果には飲み屋の突出しまで枝豆となる。まったく枝豆は生意気だ。-
いまひとつは作家獅子文六氏の「食味歳時記」の枝豆だ。
○青い枝豆は初夏に出始め両国の川開きの頃には盛りとなる。川開きの花火を見るために柳橋あたりの料亭へ行くと枝豆が出される。よく実り味もよく川風の涼しさと花火の音にも調和した。私は大相撲の五月場所と川開きの枝豆はいちばん所を得ていると思う。-
1月には早くも菜の花マラソンが開かれる南国指宿の枝豆は、丸味があって甘くビールにも焼酎にも合った。枝豆は枝豆である。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻