2009年07月04日
札の辻・21
NHK衛星第2テレビで往年のアメリカ映画「老人と海」を再度なつかしく見る。
キューバの、名も無く淋しい漁村に暮らすスペンサー・トレイシー(名演)扮する老いて孤独な漁師は、このところシケ続きで84日間も出漁できない。その海が凪いだ日に彼はひとり小舟ではるか沖へと向かう。眠気を催しつつ村で彼を慕ってくれる少年の姿など想っていると、突如強引な手応えがあって巨大なカジキマグロがかかる。ただちに老漁師とカジキとの格闘がはじまる。昏れた夜の海で我慢強く巨魚と引き合った翌朝、やっとカジキを船側に縛りつけて村を目指すも今度はそのカジキをサメの群れが襲う。しばらく老人はサメと戦うがついにカジキは樽のごとき頭部と長く白い骨だけの残体となった。
疲労困ぱいした老人は小屋に着くやベッドに倒れこみ泥のように眠る。駆けつけた少年が心配し飲物を求めて走る。
原作は自然派の作家ヘミングウェイで、孤独な人間の意志とぎりぎりに生きる体力との相克を描いたドラマなのだ。
日の出と日没、ふたつの太陽が水平線の大海原を鮮紅色に染めて海鳥の群れ飛ぶ光景は雄渾ですばらしい。
この映画に私はかつて度々出漁した角島沖の潮巻ノ瀬の舟釣りでマダイやイシダイを釣りあげるとき、ビシ糸に伝わる壮快な魚信の躍動感を思い起こし、北浦の海の潮騒までよみがえった。(鱧)
キューバの、名も無く淋しい漁村に暮らすスペンサー・トレイシー(名演)扮する老いて孤独な漁師は、このところシケ続きで84日間も出漁できない。その海が凪いだ日に彼はひとり小舟ではるか沖へと向かう。眠気を催しつつ村で彼を慕ってくれる少年の姿など想っていると、突如強引な手応えがあって巨大なカジキマグロがかかる。ただちに老漁師とカジキとの格闘がはじまる。昏れた夜の海で我慢強く巨魚と引き合った翌朝、やっとカジキを船側に縛りつけて村を目指すも今度はそのカジキをサメの群れが襲う。しばらく老人はサメと戦うがついにカジキは樽のごとき頭部と長く白い骨だけの残体となった。
疲労困ぱいした老人は小屋に着くやベッドに倒れこみ泥のように眠る。駆けつけた少年が心配し飲物を求めて走る。
原作は自然派の作家ヘミングウェイで、孤独な人間の意志とぎりぎりに生きる体力との相克を描いたドラマなのだ。
日の出と日没、ふたつの太陽が水平線の大海原を鮮紅色に染めて海鳥の群れ飛ぶ光景は雄渾ですばらしい。
この映画に私はかつて度々出漁した角島沖の潮巻ノ瀬の舟釣りでマダイやイシダイを釣りあげるとき、ビシ糸に伝わる壮快な魚信の躍動感を思い起こし、北浦の海の潮騒までよみがえった。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻