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2009年09月26日

札の辻・21

 国宝阿修羅展を太宰府の九州国立博物館で見る。会期が終わりに近く入場者は延々長蛇の列だった。
 奈良興福寺の仏像の並ぶ展示ホールは極度に下げられたルクスで暗く、まるで白昼の勢いが薄れ夕闇の訪れる頃に興福寺
の金堂で行われるという説法舞台を偲ばせるほどで、流感予防マスクをつけた人々が目立つ。
 阿修羅像はわずかな電光に包まれ、異形ではあるが威嚇的でなく自由に伸びた六本の腕と指先にはやさしさも感じられ、それに三つの顔の表情は超人的な顔ではなく、むしろ人間味漂う近代感覚の眼差しすら感じた。
 興福寺の創建された700年代の天平時代は日本の塑像史のなかで最も多彩な時代で、写実を目指し力強さと彫刻的な空間の雄大さを探究する仏師たちの活躍したときでもある。
 阿修羅像のほか八部衆像の数体を見つめると、気宇壮大さが感じられ量感のある体躯や写実性に富む表情には人を引きつける迫力があった。
 天平仏像の原形はインド北西部(パキスタン)のガンダーラで造られ、中国朝鮮半島を経て仏教伝来と共に来日したが、西域のシルクロードにまで及ぶ高度な唐文化の魅力は熱狂的に当時の平城京に迎えられた。
 菊の香や奈良には 古き佛達   芭蕉
阿修羅展からの帰途、博多駅で八部衆仏像の分厚い唇に似た辛子明太子を買った。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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