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2009年10月10日

札の辻・21

 1986年に京都市「哲学の道」などと共に「日本の道百選」に選定された山口のパークロードは、いま枝張りを広げたケヤキ並木が紅葉前線を迎え始めている。
 京都の哲学の道は左京区鹿ケ谷・浄土寺地区の琵琶湖疎水沿いにあり、銀閣寺前に至る約2キロの区間で、呼称は元京都帝大教授で哲学者の西田幾多郎がよく散策していたことにはじまる。この道はサクラ並木が整備され法然院や銀閣寺に近く観光客の姿も多い。
 西田幾多郎といえば山口にもゆかりがある。
 西田は1897(明治30)年に旧制山口高商の前身山口高等学校の教授となり2年間を山口で過ごした。
 そして西田哲学の愛弟子だった滝沢克己も、ドイツ留学後の1937(昭和12)年にやはり山口高商の哲学教授として赴任し戦後九大へ転任するまで学究生活を送る。
 「山口は四十年前旧知の地、今いかになり居るか懐旧の念にたへず。三月十四日、滝沢君へ」と西田から滝沢への手紙が残されている。
 パークロードの県立美術館の濠端から正門に至る区間に、山口高商時代からの石垣が県の配慮で残されており、西田や滝沢も歩いた山口の哲学の道ともいえる。
 これからケヤキ並木は秋色のシンフォニーを奏でながら、落葉後の枝先が網目の如く初冬の空に交錯するまで、歴史と文化の匂う山口の自然空間を象徴する。  (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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