アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 87人

店長情報 トップページ
店長情報

2009年10月24日

札の辻・21

 ことし収穫した新米ですぐ醸造した出来たての酒を新酒という。しかし最近は寒造りが多くなり、季節的に主として早春の頃に出回る。

 フランスワインの新酒ボージョレ・ヌーボーはパーティー風で試飲が行われるのに対し、日本酒の新酒は独り酒でしみじみ味わうむきが多い。
 
 秋の夜を独り飲む酒
 淋しからず李杜が来
 て飲む牧水も来る

 これは全国酒まつりでの投稿歌だが、李杜とは中国・唐時代の詩人李白と杜甫の略称である。中国では古くから酒仙、酒徒、酒鬼などの言葉があって李杜は共に酒仙と呼ばれていた。
 その李白に「月下独酌」の詩がある。
 
 盃を挙げて明月の昇
 るを迎え、月と私と
 影とで三人と成る。

あの「白玉の歯にしみとほる秋の夜」が親しまれている若山牧水はまた

 酒無しに今日は暮る
 るか二階より仰げば
 空を行く鴉あり

 酒と旅を愛し幾山河の人生を送った歌人の哀感が漂う。
 旅のあわれか 人のあわれか 私のあわれか あわれあわれに生きると言った山頭火は
 月夜の水を猫が飲む
  私も飲まう
 
あわれに浸る。(鱧)


同じカテゴリー(札の辻)の記事画像
札の辻・21
同じカテゴリー(札の辻)の記事
 札の辻・21 (2016-07-30 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-23 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-16 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-09 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-02 00:00)
 札の辻・21 (2016-06-25 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。